・分解とフィードバック
コラーゲン分解時の特有成分「ピリジノリン」は、細胞表層に存在するReceptor of AGEs(RAGE)という受容体に特異的に認識されることが確認されています。
(補足)
コラーゲン分解時の特有成分としては、ピリジノリンの他にヒドロキシプロリンというアミノ酸もありますが、ヒドロキシプロリンはRAGEには認識されず、ピリジノリンのみが特異的に認識されました。
・コラーゲン産生スイッチ
ピリジノリンの関与によりトランスフォーミング成長因子(TGF-β1)やⅠ型コラーゲンの産生が促進されることが細胞レベルで確認されています。ピリジノリンを認識した細胞の「コラーゲンを作るスイッチがオンになる」ことが考えられます。
(補足)
TGF-β1(トランスフォーミング成長因子)は、コラーゲン産生促進・骨芽細胞増殖促進・破骨細胞増殖抑制などに関わるサイトカイン(細胞間情報伝達物質)です。
※ 特許第7161177号
特許第7428426号
・推定メカニズム
細胞表層の受容体(Receptor of AGEs)がピリジノリンを認識することでコラーゲン産生に重要な役割を担うサイトカインのTGF-β1(トランスフォーミング成長因子)の産生にスイッチが入ると考えられます。これに連鎖してトランスフォーミング成長因子のシグナルを受けた細胞のコラーゲン産生にスイッチが入ると考えられます。
コラーゲンを含む全てのたんぱく質は、DNA中の遺伝子情報(作りたいタンパク質の設計図がコードされている部分)をRNAに写し取り(転写)、写し取った核酸の配列をアミノ酸配列に変換(翻訳)して生産されます。一般的なコラーゲンサプリは、この内の翻訳に必要なアミノ酸源を補強するものです。これに対してピリジノリンを豊富に含むピノリッチコラーゲンは、アミノ酸源の補強に加えて、成長因子やコラーゲン産生のスイッチを入れることで、コラーゲン産生をよりスムーズに促すことが期待されます。下図中央部の∞の字(横向きの8)の流れを誘導するメカニズムが考えられます。