機能性

●糖・脂質代謝

境界型糖尿病患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験においてインスリン感受性の改善が示唆されています。また、日本人を対象とした非盲検単群試験において血糖やコレステロールの改善が示唆されています。

弊社考察:作用機序としては体内のNADが増加することにより、サーチュインが転写因子FOXO1を脱アセチル化してインスリン遺伝子の転写因子の発現を促進すること、NF-κβを脱アセチル化してNF-κβ経路の抑制によりインスリン感受性の低下を抑制すること、UCP2遺伝子の発現を抑制してインスリン分泌を誘導すること、脂肪細胞でFOXO1が脱アセチル化されてアディポネクチン遺伝子APM1の発現が促進されること、CD38がcADPRを産生し、リン酸化カスケードによりAMPKが活性化して糖・脂質代謝が調節されることなどが考えられます。

●血管弛緩・動脈硬化

日本人を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、血糖値が平均以上であった対象者、及びBMIが平均以上であった対象者の動脈硬化の改善が示唆されています。

弊社考察:作用機序としては体内のNADが増加することにより、サーチュインが一酸化窒素合成酵素のeNOSを脱アセチル化して一酸化窒素(NO)の産生が促進され、血管弛緩、血管内皮細胞の生存・遊走・新生に寄与すること、NF-κβを脱アセチル化してNF-κβ経路の抑制により炎症を抑制することなどが考えられます。

●認知機能・アルツハイマー病

老齢マウスを対象とした試験において認知機能の改善、シナプス密度や可塑性の改善が示唆されています。1)
また、アルツハイマー病マウスを対象とした試験においてアミロイドβ前駆体の減少、脳ミトコンドリア代謝機能の改善、認知機能の改善が示唆されています。2,3,4)

弊社考察:作用機序としては体内のNADが増加することにより、サーチュインが転写因子HSF1を脱アセチル化してHSF1の核内移行を誘導し、異常タンパク質の折りたたみの修復や分解を促すシャペロン(HSP70)を発現させ、変異タンパクの蓄積抑制により運動ニューロンの保護や生存期間の延長を促進すること、サーチュインが、ROCK1の発現を阻害することで、非アミロイド生成プロセシングを優位としてアミロイドβの沈着を抑制することなどが考えられます。

●肌の潤い・弾力性

日本人を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、肌の潤いと弾力性の改善が示唆されています。

弊社考察:作用機序としては体内のNADが増加することにより、サーチュインが転写因子NF-κβを脱アセチル化してNF-κβ経路の抑制により紫外線に対する炎症を抑制すること、CD38がcADPRを産生してリン酸化カスケードによりAMPKが活性化してその下流の抗酸化遺伝子の発現により酸化ストレスを軽減することなどが考えられます。

●筋肉・運動機能

日本人を対象とした無作為化二重盲検比較試験において筋肉量の増加傾向や歩行機能の改善が示唆されています。また、中国人アマチュアランナーを対象とした無作為化二重盲検比較試験において全身持久力の改善が示唆されています。

弊社考察:作用機序としては体内のNADが増加することにより、サーチュインが転写共役因子のPGC-1αを脱アセチル化して転写因子NRF1/NRF2(nuclear respiratory factor)の働きを活性化し、NRFがTFAM(mitochondria transcription factor A)の発現を促進することによりミトコンドリア生合成が促進すること、骨格筋再生に関する遺伝子群の発現が促進すること、p21を脱アセチル化してユビキチン化による分解を誘導することを介して筋衛星細胞の増殖が促進することなどが考えられます。

●睡眠の質・概日リズム

弊社社員とその家族を対象としたモニターアンケートでは、睡眠の質の改善、日中の疲労感軽減や活力向上の体感が多く寄せられました。

弊社考察:モニターには朝食後を中心にNMNを摂取してもらいました。もともと体内のNMNやNADは午前中に多く作られて概日変動(概ね一日周期で増減)しています。朝食後を中心としてNMNを補填したことにより、一日のリズムが整いやすくなった可能性が考えられます。

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